水洗トイレのタンクは、水を蓄えて流す重要な役割を担っています。しかし、長期間使用しているとタンク内部に汚れが溜まったり、水が止まらなくなるトラブルが発生することがあります。今回は、水洗トイレのタンクの構造と、メンテナンスの方法について解説します。 トイレのタンクは、大きく分けて「フロートバルブ」「ボールタップ」「オーバーフロー管」の3つの部品で構成されています。フロートバルブはタンク内の水を流すための部品で、レバーを引くとバルブが開き、水が便器へと流れ出します。ボールタップはタンク内の水位を調整する部品で、水が一定の高さになると自動的に給水を止める役割を果たします。また、オーバーフロー管は、水が溢れないように余分な水を排水するための管です。 タンク内の水が止まらなくなる原因として、フロートバルブの劣化が考えられます。ゴム製のフロートバルブが古くなると、水が漏れ続けることがあり、水道代が無駄にかかる原因になります。この場合、新しいフロートバルブに交換することで問題を解決できます。 また、ボールタップが正常に作動しないと、水がタンクに貯まりすぎてオーバーフローしてしまうことがあります。この場合、ボールタップの調整ネジを回して水位を適切な高さに設定することで改善できます。それでも直らない場合は、ボールタップの交換が必要になることもあります。 タンク内の汚れも、トイレの機能に影響を与えることがあります。タンクの中には水垢やカビが発生しやすく、その汚れが便器に流れ込むことで、便器の黒ずみや臭いの原因になることがあります。そのため、定期的にタンクのフタを開け、中を掃除することが大切です。掃除の際には、トイレタンク専用の洗浄剤を使用することで、簡単に汚れを落とすことができます。 また、タンク式トイレでは、タンク内部の部品が劣化すると、水の流れが悪くなることがあります。この場合は、部品を交換するか、専門業者に点検を依頼するのがよいでしょう。タンクの寿命は10〜15年程度とされているため、それ以上使用している場合は、新しいトイレへの交換を検討するのも一つの方法です。