マンションで水道の元栓を閉めると、当然ながら家全体の水が使えなくなります。しかし、実際に閉めた際にどのような影響があるのか、また再開する際にはどのような注意が必要なのかを知っておくことで、より安全に対応することができます。 元栓を閉めると、水道の供給が完全に止まるため、キッチン、トイレ、風呂、洗濯機などのすべての水回りの設備が使用できなくなります。そのため、元栓を閉める前に必要な水を確保しておくことが重要です。例えば、トイレの水を流せなくなるため、バケツに水を汲んでおく、飲料水を確保するなど、事前の準備をしておくと便利です。 また、元栓を閉めた後は、配管内に残っている水が完全に抜けるまで時間がかかることがあります。特に、長期間元栓を閉めた場合、配管内の水が滞留し、水質が変化する可能性があるため、再開する際にはしばらくの間水を流してから使用することが推奨されます。 元栓を再び開ける際には、急激に開かず、ゆっくりと回すことが大切です。急に水を流すと、水圧の変化で配管に負担がかかるだけでなく、蛇口やトイレの給水部分にエアー（空気）が入り込むことがあります。特に、ウォシュレットや給湯器を使用している場合、エアーが原因で正常に動作しなくなることがあるため、慎重に開けることが重要です。 また、元栓を開けた後に水が濁っていることがあります。これは、水道管内の鉄分やカルシウム成分が滞留していたためであり、通常はしばらく水を流せば元に戻ります。しかし、長時間流しても水の濁りが取れない場合は、マンション全体の水道管に問題がある可能性があるため、管理会社に相談すると良いでしょう。 元栓を閉めると、水道メーターの動きも止まるため、水道料金の計算に影響が出ることはありません。しかし、長期間閉めたままにしておくと、使用再開時に水道メーターが正常に動作しないことがあるため、異常がないか確認することも大切です。 マンションでは、各部屋ごとに水道の元栓がある場合と、共用の元栓が管理されている場合があります。共用の元栓を閉める必要がある場合は、管理会社や管理人に連絡して指示を仰ぐことが必要です。また、特に給湯器を使用している家庭では、元栓を閉めた後にお湯が正常に出るかどうかも確認し、必要に応じてリセット作業を行うと良いでしょう。